2012年3月24日土曜日

煙に似たレポート

4/44

白い花びらがふぶきのように舞っている。朝の陽が照らす路があまりに美しいので「すごい、すごい」と独り言しながら歩いていた。これはこのまま天国に歩いてくのかな、、思ったら淡々と窮屈な朝の電車に乗っているのだった。

壁にもたれながら目をつむり、音楽を聴いていた。静かな音楽。そうしてそのまま品川、新幹線で名古屋、岐阜。
岐阜は素晴しかった、おっとりしていた。天気も空気も。
行きも帰りも新幹線の記憶はほとんど無く、ずっと眠りこけていた。
文庫本を読もうと手に持ちながら何度も何度も落とし拾っていくうち、カバーが折目だらけのぼろぼろになっていくのを認識した。それを隣の人が途中で、座席の前の網状ポケットに入れてくれたらしい。品川で気づくと手には折れ折れのカバーだけが握られ、中味はポケットに無事いた。嬉しく思い出されるエピソードである。
夜の街で知り合いの店に、関わっているイベントのDMを不審にポスティングし、客引きから逃げつつ帰る。
「兄さん、もちょっと速く走った方がいいよぉ」そう声がした。

 
3/00

私らは狂気と正気のあいだに
うずくまり
何処ともしれない浜に
絶えず身を沈める。
海に取りつかれ、
海に沈んで行ったナンバダフミオ

大きな大きな
オブセッションだったのか。
海に滲んだような色、色に、たゆたう
虚ろで無垢な描線たち
一本、一本、、、

それで、薬に溺れたジョン・ルーリイ、、、