2012年8月19日日曜日

CALE

 ジョン・ケールは、音楽家である。一般的には、ベルベット・アンダーグラウンドでヴィオラを弾いたりピアノを弾いたりしていたが、ルー・リードと喧嘩して辞めた人として知られる。「Velvet Underground and Nico」、狂乱の「White Light White Heat」まで参加している。日本では、ルー・リードやニコ、あるいはウォーホルほどの知名度はないだろ。
 写実的な自画像、顔に白い油を垂らしたような自画像のジャケットのソロアルバム「Vintage Violence」は有名。「Hello, There」爽やかなけれど何だか奇しい、何とも言えないポップ・ソングが流れる。何というのか、60年代が、つまりロック全盛の時代が終って、パンク、ニューウェイヴ、等々が流行し出す頃、そのあわいの時代の音? なのだろうか。でも、作品にはどれも通底する奇しさがある。それでいて、インダストリアル・ノイズ、カットアップ等々のウォーホルの映画のサントラ、美しく詩的なピアノソロ、テリーライリーやイーノらとの共作、はたまたパティ・スミスやストゥージス、ニコらのプロデュース・・・色々とクールにこなしている。
 先ほど、時代をはっきり確かめずに言った。それで「Vintage Violence」を調べたところ1970年の作。合っている。けれど、どうも60年代70年代80年代・・・よく取沙汰される言葉だけれど、はっきり分からない。まだ終って間も無いわけだから、それにたかだか10年20年、歴史に書かれる100年200年ではなく、人がまだ全然生きている程短い距離。たとえば日本で、印象派が実はアヴァンギャルドな存在だったんだ! チンポムと一緒だ! いやもっと凄い! と言われ始めているのがようやく最近なわけだから、きっといくらでも解釈はあるだろう。だから、私らは特に細かく気にしないでいいのではないだろうか。
 さて、ジョン・ケール。今、バイオグラフィーをネットで調べたところ、ついでに7年ぶりのフルアルバム発売の報を見つけた。たいへん喜ばしい。つい2、3か月前、新作EP「Extra Playful」を買ったが、ラー、ラーラーラーラーララーラーラー、と、いつもと変わらぬアヤシいポップを歌ってた。爽やかで、元気が出る。それで、ああ、いいなあ! と思った。それは彼が始終変わらぬ歌を歌い続けていること。淡々とアップデートし続けていること。存在感独特さ加減がキマっていること。
 今、彼の顔写真をグーグルで沢山見た。よく知られるのはヴェルヴェットの頃の黒髪長髪、黒サングラスでヴィオラを持つ姿だが、最近の氏は白髪の短髪、顎に三角髭をつけている。少し唇を斜めに曲げ、面長。本人に会ってみたい。会って何をするわけではないが、とにかく緊張することだろう。でもせっかく会うんだから、何か聞きたいこともある「生き生きと生きるにはどうしたらいいですか」。




いま初めて見たけどとてもクールなPV。少し古っぽいようで、クラシカルな要素も思うが、もう何かトんでいる。

 ですます調だった文章を普通の文章にしました。そのため読み苦しい場面があるかもしれませんが、ブログだから細かいところは気にしないことにした。ところでですます調じゃない文章はなんて言うの。タメ口? 知らない。世界に敬語なんてそんなにない。

何だかいい感じに飲んだなあ、という夜のトバリが開ける頃、Paris 1919が爽やかに響く。Fragments of Rainy Season。雨の季節の断片たち。
彼がピアノやギターを弾き語り、素朴でけれどたくましい唄。唄が響く。

2012年8月13日月曜日

ここのま


九間(ここのま)。発行日8月7日。フリーペーパーですが、美術家と街の情報を中心に、何とも言えない「下北」の熱を伝える雑誌です。表裏、九面ずつの折り方で作られています。

発行元は下北沢のギャラリーHANA。今回の表面と表紙では、同画廊が企画展示を行う菅原毅己をインタビューしましたが、次回以降はそこの作家には限らない、斬新な試みを重ねる気鋭の作家を紹介していく予定です。

裏面では、下北にいる人も意外と知らない「ルルドの泉」を紹介しています。今も古本屋芝居小屋ライブハウスが密集し、たまに訪れると右も左も分からなくなってしまう下北沢を、独特の歴史を追うことも視野に入れ、紹介していきます。

刊行は季刊、次回の発行は10月を予定しております。下記のギャラリーHANA下北沢のホ
ームページに「九間」ページを設け、九間の最新情報を載せています。何かのPRではなく、訥々と新たな「下北の文化」を発信する雑誌として親しんでいただけるよう、継続してまいります。



というフリーペーパーをつくるお手伝いをしました。
下北周辺、もしくはフリーペーパーの多い本屋さん、ギャラリー等で配布予定ですので、
見つけたらお手に取ってヒマな時に眺めていただければ幸いです。

お問い合わせは
hanaアットg-hana.jp (ギャラリーHANAクリエティブ)
まで、お願いします。