Am500。
鳥の声がたくさんしている。
チチュチチュというのが一番近く、左手の方から。
すこし遠くの、カァというのがたまに混ざる。これはカラスだろう。
あと色々としている。
窓の外には、黄緑色の花をつける桜があって、もう葉桜になっている。
風がいい。
と思ったら風がやんだ。すると鳥の声もやむ。なぜだろう。
葉桜のとなりには棕梠、というのかなぜだかこの敷地にずいぶん植っている高い木がある。その右にはねじねじとした、たくましい感じの木。また棕梠。
部屋の中にも植木がいくつかあって、外の木を見たり、中の木を見たりしている。
その中間に画面があり、その画面に文字を打ち込んでいる。
今日は人が多くきて、荷物をとにかく箱詰めしていた。荷物というか、物。暮らしの周りにすべてある、物。旅であれば荷物といって荷造りというが、それとしていることは変わらないけれど、家なので物という。本やCD、小物、ノート、文房具、資料(色々なものをとりあえずそういう)。食器や家具、服、小物。箱が無数にある。
無数の箱を、多くきた人が、詰めてくれている。長いつきあいの、それとこの家にもつきあいのある人たちで、手を貸してもらっていた。そうして酒をようよう飲んで、雑魚寝のうちに私は起きてこう外をみている。
また風がふく。どこかでアラームの電子音が鳴り続けているのは何なのだろう。誰かの目覚ましだろうか。