2021年4月11日日曜日

私たちは、どうしてこんなにかわいいのか。(ちいかわについて 他)


僕らの心のなかに、いつからかある生き物が棲みついている。白くて、もふもふしており、小さくて、かわいい。ほぼ毎日更新される彼らにもう、目が離せない。

身近なひとに聞いてみると、彼らもちいかわの一挙手一投足が気になって仕方がないという。新しいステップを踏んだ。ヘンな生き物と仲良くなった。と思えば悪い生き物だったから、帰って泣いた。かれは検定に落ちて泣いた。頑張ってラーメンを食べた。とか、そうした話題はつきない。

職場でも同様で、私がちいかわ好きなものだから、皆気にして、「ちいかわカフェ」があるとか、ちいかわが転んだ、とか話題を教えてくれる。それで数人で、シンエヴァの話をする代わりに、新しいちいかわの話をしている。中には「ちい」と「かわ」の話だと思っていた、という人もいる。それもそれで一つの解釈なんだろう。


ふとしたきっかけで会った写真家と話していると、「ちいかわって僕らのことですよね」と話す。40代のオジサンが、気持ち悪いことを平気で言う。と思ったけれど、腑に落ちる部分がある。お寿司を買って楽しみに帰ったら転んじゃって、泣いてしまうなんて、どうも懐かしい気分になるし、それがそのまま続いているような気がしてしまう。続いているというのは、小さい頃の、何か小さな甘い傷のような気分をまたほじくっているような気がするのだろうか。そのへんを考えていくと、何かの学問や思想にいきつく。たとえば何かを甘噛みされると身体が悦ぶといった話題にも通じるのだろうか。違うか。


それで気がつくのは、どうも30-40代くらいの男性が、特に熱心にちいかわを追っているんじゃないかと思われる。ごく個人的な観測なので、実際のところは分からない。ただ、たとえば新作が投稿されるたびに膨大に積み重ねられるTwitterのコメント欄。ちいかわちゃんに呼びかける人。あるいは過去のイメージを補足として出しながら、その次の展開を予測する人。ハチワレちゃんやウサギのディテールを愛でる人。そうしたところには、彼らはいない。ただ黙々と、日々見守るだけ。そう共感は、自分だけができればいい。中には、自分の子どもの幼い頃を重ねてみる人もいるのかもしれない。けれどもそうじゃないな、やはり自分を見返しているんじゃないか、大人になって振り返る、小さい子としての自分を。見守って、好きな場面を写真に保存して、時折、見返してみる。かわいい……。あとスタンプも、かわいい…。




ちいかわについて考えていることを、書きたいと思って、最近ふれていないブログを書いてみている。

ブログって全然見かけないけれど、けっこう好きではある。自分が見かけないということは、この投稿もさして見られないのだろう。


告知。

https://note.com/bonustrack_skz/n/n1d703d66e568

このようなイベントに同人誌「めぬけ」の新しいのや、手持ちの本、身近な人が最近つくったものなどを、売ります。

よかったらお運びください。

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